ウズベキスタンのブハラには3つのタキが残っています。タキとは街のメインストリートの交差点を丸屋根で覆ったバザールのことです。タキ・ザルガラン(宝石商市場)、タキ・テルパクフルシャン(帽子市場)、タキ・サラファン(両替商)の名前から想像できるように、昔はシルクロードを行き交う商人や各地の人々が、宝石類や帽子の売買、金や外国のお金の売買のために集まってきていたのでしょう。
現在はタキの中の店の多くは観光客を相手にしたお土産屋さんです。ひやかしに一軒一軒まわってみました。そのうちの一がウズベクの刺繍、スーザナの専門店でした(写真)。
ウズベキスタンの南部はソグディアナと呼ばれていました。「ソグド人の土地」の意味があります。ソグディアナはユーラシア大陸のど真ん中に位置し、東の中国、東南のインド、西南のペルシャから地中海地域、西北のロシアから東ヨーロッパ、東北のモンゴルへと通ずるシルクロード網の交差点にありました。そのため、ソグド人はシルクロード商人として活躍してきました。
さてこのおじさんはソグド人の子孫でしょうか?中国の古書によれば、「その人、皆、深目高鼻にして」とあります。ちょっと容姿は違うようです。しかしながら、「商賈(あきない)を善くし、分銖(わずかのかね)の利を争う」ともあります。商売のうまさはソグド人譲りでした。
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