ガルーダはインドの神話に出てくる神鳥で、人間の胴体と鷲の頭部、嘴、翼、爪を持っています。ヒンドゥー教の最高神の一人であるビィシュヌの乗り物とされています。ガルーダはタイ語では“クルッツ”と呼ばれます。
タイ国王はビィシュヌの化身であると考えられており、このためアユタヤ時代よりクルッツがタイ国王の紋章となっています。王室の建物の意匠、王室の記章徽章、王室の印などに使われています。伝説に基づくと、国王の乗り物である王室のロールスロイスや飛行機、ロイヤルバージなどもガルーダとなります。
タイでは日常でもクルッツよく見かけます。入国管理局や郵便局を始めとした政府機関のロゴ、軍人や役人のバッジなどにもクルッツが使われています。クルッツは羽を広げると12,800kmにもなると言われているので、タイ王国の政府所有のもの全てを覆っています。タイの紙幣にはクルッツが印刷されています。また、タイ人のパスポートもクルッツで保証されています。
民間企業、さらには個人もこの最も権威のある紋章の使用を許されています。日本の皇室御用達、また英国の女王御用達と同じように、1889年以来、クルッツは王室の保証を示しています。“国王陛下御用達です”。会社建物の正面や商品のラベルに、誇らしげにクルッツが掲げられています。写真はソイアソークにあるSiam Commercial Bankの正面玄関上のクルッツです。
シンハビールのボトルやカンにもこのクルッツの紋章が印刷されているのをご存知でしょうか。次にシンハビールを飲むときに注意して見てください。お札も忘れずにご覧下さい。
なお、芸術作品と言えるものもたくさんあり、アンティークとして収集されているとのことです。
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