東南アジアの博物館を紹介するシリーズですが、博物館は華やかな歴史、文化、芸術などを展示、紹介するところだけではありません。過去の暗い歴史を記録する場所でもあります。
写真は、一見、東南アジアの国々でよく出会うおだやかな小学校のようで、子供たちの歓声も聞こえてくるようです。しかしながら、ここは、プノンペン市内にあるS21(エス21)の暗号名で知られる、クメール・ルージュが設けた政治犯収容所でした。
この収容所には2年9ヶ月の間に14,000人から20,000人が収容されたと言われ、そのうち生還できたのは8名のみでした。学校のように見えるのは当然で、当時の「トゥール・スベイ・プレイ高校」と「トゥール・スレイン小学校」が収容所として使われました。
現在は地名を取って「トゥール・スレイン虐殺博物館」となっています。収容施設、独房、拷問器具、犠牲者の写真、生還者が描いた拷問の様子の絵などが展示されています。「トゥール・スレイン」には博物館以上のものがあります。20世紀の東南アジアの最も暗い歴史の一つの証人です。
団塊世代と同時代の出来事です。バンコクでロングステイされている方には、時間を見つけて是非とも訪れてほしい博物館です。
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