ロングステイへの道

No. 180 バングラディシュのスンダバン（その1）

スンダバンをご存知ですか？ガンジス河口に広がる世界最大のマングローブの森林です。バングラデシュとインドのベンガル州西部に広がっています。衛星写真1に示した黄色い楕円のなかの、濃い緑の部分がスンダバンです。多くの貴重な動植物が生息し、なかにはベンガルタイガー、河口部に生息するワニ、インドニシキヘビなどの絶滅の恐れのある生物も含まれています。面白いことに、インドが“スンダバン”国立公園として、パキスタンが“スンダバン”として、別々にユネスコの世界遺産に登録しています。

バングラデシュのスンダバンに行く最も一般的な方法は、首都のダッカから飛行機でジェッソー（Jessore）へ飛び、次にモングラ（Mongla）という港町へ車で移動し、ここで船に乗り換えてスンダバンへ入ります。写真2はまだスンダバンの入り口のマングローブ林ですが、豊かな自然の一端に触れることができます。

- 続く –

衛星写真の出典：
Bangladesh from MODIS
Jacques Descloitres, MODIS Land Science Team
NASA VISIBLE EARTH (http://visibleearth.nasa.gov/)

No. 179 デジタルカメラの話題

旅行のときにはデジタルカメラは欠かせません。旅の記録というよりは、メモ代わりに使っています。一日に数百枚のショットを撮ることもあり、そのうちの何枚かはこのブログで紹介しています。記録メディアは一日で使い切ってしまうので、話題26で紹介したように、写真は毎日iPodにダウンロードしています。今使用しているデジタルカメラは二代目でC社のものです。一代目はN社の2000年発売のモデルで 5年ほど使いました。

デジタルカメラは便利ですが、エレクトロニクスの固まりであるために、旅行中に故障するとお手上げです。我々にも悲劇的な事件が起こりました。一代目のカメラです。イタリア旅行中に（話題149）、突然カメラがハングアップしてしまいました。ブラックボックスであるために対処のしようがなく、それ以降使えずじまいでした。幸いに妻がフイルムカメラを持っていたために、最低限の旅の記録は残りましたが。

写真1はカメラがハングアップする直前の写真です。バチカンですが、ぼやけています。1日前に撮ったものが写真2です。ローマのフォルムですが、この時は全く問題ありませんでした。同じカメラで撮った写真であるとは思えません。

旅行時にはデジタルカメラに何が起こるか分かりません。大事な記録を失わないため、そして貴重な時間とお金を無駄にしないために、バックアップをお忘れなく。

No. 178 タイスタイルハウスのコンセプト第2案（その3）

記事172に続き、タイスタイルハウスのコンセプト第2案を検討してみましょう。コンセプト第1案のモデルとコンセプト第2案のモデルを写真1と写真2に示しました。写真を撮影した方向は若干異なります。

コンセプト第1案に対する我々のコメントに、“二つの建物に分かれているメインパビリオンを一つにまとめてほしい”がありました（話題142）。写真1の緑色の楕円で囲み、番号1とした部分です。タイスタイルの建物と手前のボックス型の建物に分かれています。各建物の用途は話題167にある平面図を参考にして下さい。

さて、コンセプト第2案では修正されているでしょうか？答えは写真2から明らかなように“ノー”です。簡単なことですが、コミュニケーションの行き違いでしょうか。

次はお客様用の寝室の屋根です（番号2）コンセプト第1案では二つあった棟が、第2案では一つになっています。前回の打合せには出てこなかった修正点ですが、第2案の方がシンプルで、気に入りました。建てるのも楽でしょう。

日本とタイの間でのコミュニケーションで、根気のいる作業ですが、一歩一歩進めていこうと思います。

- 続く –

No. 177 旅の友iPod、アルジェリア編

アルジェリアでもちろん伝統音楽のCDを買いました。ホコリっぽい店で、CDには指紋があちらこちら付いてはいましたが、とにかく買って帰りました。

まずはCDのジャケットをご覧下さい（写真1と写真2）。最初のCDのアーティストは男性のZyaraとSihem Stitiです。2枚目は女性アーティストののCherifaです。CDショップのお兄さんの解説では、アルジェリアの有名なアーティストとのことです。

アルジェリアのイメージには確固としたものはありません。ヌミディア、フィニキア、ローマ、イスラム、フランス、独立戦争、テロ、・・・・・・・。ジャケットからは地中海的な明るさ（写真1）と伝統（写真2）を感じることができます。

音楽を聴いてみて驚きました。全ての曲ではありませんが、メロディーやリズムがギリシャやキプロスの音楽によく似ています。ギリシャ世界とオリエントを起源とするアルジェリアの民族音楽には共通したものがあるのでしょうか？参考のために、アルジェリア（赤丸）とギリシャとキプロスを赤線で囲んでいます。なお、黄色と赤色の丸は今まで民族音楽を収集した国を示しています。

衛星写真の出典：
Reto Stockli, NASA Earth Observatory
from NASA VISIBLE EARTH

No. 176 アルジェのカスバ

“ここは地の果て　アルジェリヤ　どうせカスバの　夜に咲く　酒場の女の　うす情け”。昭和30年（1955年）、エト邦枝さんが歌った“カスバの女”の一節です。団塊世代よりもシニア世代の方が思い出深いのではないでしょうか？歌詞、メロディーはご存知でも、実際アルジェのカスバを見た方は少ないのではないでしょうか。ご紹介します。

写真1は現代のアルジェの中心部を望んだものです。手前がアルジェ港、そして遥かに見えるのが地中海です。カスバの位置は青い点線で囲んだ部分です。カスバは、都市の城内を意味するアラビア語のカサバから出た言葉で、アルジェでは、ほぼアルジェリア人のみが居住する旧市街を指します。写真2で見ると、斜面に沿って建てられたカスバの家並とそれを囲む城壁が良く分かります。この絵はフランスがアルジェリアに進出した1980年頃の様子です。

フランスが全アルジェリアを支配した1971年頃のカスバの様子を示したのが写真3です。伝統的な家並の下にフランスが建てた石積みの立派な建物が見えます。

カスバは古いモスク、オスマン様式の宮殿、伝統的な街並が残った地区で、UNESCOの世界遺産に指定されています。映画“アルジェの戦い”の主な舞台になったところでもあります。残念ながら、安全上カスバへは警察官などの護衛なしでは入ることができません。そのため、お見せできる写真もありません。

カスバに関係あるものを買おうとしたのですが、アルジェでは古いものを見つけることができませんでした。印刷ものの写真2が見つかっただけです。そこで少し古い版画の挿絵を（写真3）、話題92で紹介したパリのセーヌ川沿いの露店で購入しました。これも、ロングステイのベースのタイスタイルハウスのインテリアの一つになります。

No. 175 バンコク新国際空港の現状（その9）

バンコク新国際空港、スワナプーム空港の開港に関する最近の記事の続編です。話題162の続きです。まだまだ混乱は続いています。

TNA（2006年5月19日）

運輸大臣代行のポンサック・ラックタポンパイサル氏は、政府は6月に商用開始の予定であった新バンコク国際空港、スワナプーム空港の開港日を、開港の少なくとも1 ~ 2ヶ月前に発表すると語る。

ネーション（2006年5月7日）

民主党は政府に対してスワナプーム国際空港の開港日を正確に設定するように要求した。

バンコクポスト（2006年5月3日）

チチャイ・ワナサティ副首相代行は、スワナプーム空港の開港は早くて8月であると語る。また、政府は正確な開港日を6月に発表すると述べる。

TNA（2006年4月29日）

今年7月に予定されているスワナプーム国際空港の開港が、旅客ターミナルの大規模な修理等により遅れることを心配していると、運輸副大臣代行のチャイヤナン・チャロエンシリ将軍が語る。

ネーション（2006年4月28日）

チチャイワナサティヤ首相代行は、新しいスワナプーム空港の滑走路にひびが入っていることを噂であるとして、否定した。また、新空港の開港は予定どおり7月であると述べる。

どれが本当か全く分かりません?????

No. 174 アルジェリアでロングステイ？

北西アフリカのリビア、チュニジア、アルジェリア、モロッコはマグレブ諸国と呼ばれています。これらの国々の地中海沿岸地域は、古代ローマ時代の属州に重なり合っています。フェニキア、ローマ、イスラムなどの歴史が交錯した地域で、世界遺産も4国合わせて28ヶ所もあります。一方、南部はサハラ砂漠が広がり、過酷ですが美しい大自然を経験することができます。一度は訪れてみたい国々です。

先日、アルジェリアの首都アルジェを訪問しました。一般には馴染みがない国ですので、アルジェの街の様子を紹介します（写真1 ~ 写真3）。以外と近代的でしょう。団塊世代またシニア世代の方々は、アルジェと聞いて、1967年に公開されたジロ・コンテコルポ監督の映画“アルジェの戦い”をまず思い浮かべられるのではないでしょうか。この映画は、アルジェリアの10年に及ぶ、フランスからの独立戦争を描いたドキュメンタリーです。

アルジェリアは1992年よりイスラム原理主義過激派によるテロが活発化し、国内情勢が悪化しました。政府のテロ対策の強化を含めた内政・治安の正常化の努力により、最近情勢改善しています。しかしながら、外務省海外安全ホームページでもまだ「十分注意して下さい」 ~ 「渡航の延期をおすすめします」と分類されています。

モロッコとチュニジアは観光を重視している国で、ロングステイは困難が伴うとしても、話題149で紹介した、“NOT SO LONG STAY”は楽しめそうです。しかしながら、アルジェリアとリビアは、まだ特殊なツアーで行くより他はなさそうです。アルジェリアでのロングステイはまだまだ時期尚早です。

No. 173 旅の友iPod、タイの民族音楽

久しぶりに旅の友iPodシリーズです。話題85（2005年12月6日）より、世界の民族音楽のコレクションが3カ国増えています。図1の青い丸で示した、タジキスタン、アルメニア、そしてアルジェリアの3カ国です。

今回はタイの伝統音楽の話です。ただし、専門的な話ではないのでご容赦願います。先日バンコクで北部タイ（写真2）と南部タイ（写真3）の伝統音楽のCDを購入しました。タイの伝統音楽についてはタイダンスショーのバックグラウンドで奏でられる音楽のステレオタイプの印象しかありませんでした。しかしながら2つのCDを聞き比べてみると、全く異なるタイプの音楽が奏でられ、大変驚きました。日本でも東北のと沖縄の民謡が全く異なるのと同じで、当たり前ですが。

北部の民族音楽は木琴、弦楽器、木管楽器などが中心で、中国の音楽に近い旋律です。一方、南部の音楽はガムランやラッパなどを使い、ヒンドゥーの影響を受けた音楽です。図1この関係を矢印で示しました。北部タイは中国の雲南省と非常に近い関係にあります。また、南部タイはインドから、ヒンドゥ音楽で有名なバリ島へ至る途中にあります。

民族移動や文化・宗教の伝播に思いを馳せながら、タイ北部と南部の2つのCDを楽しんでいます。

衛星写真の出典：
Reto Stockli, NASA Earth Observatory
from NASA VISIBLE EARTH

P.S.　インターネットで調べてみると、ここに紹介した2枚のCDは日本で手に入れることができます。ただし、価格はバンコクと比べると3倍ぐらいです。ぜひともバンコクのロングステイ中にCDショップを訪れて下さい。

No. 172 タイスタイルハウスのコンセプト第2案（その2）

記事167からの続きです。さて、タイスタイルハウスのコンセプト第2案は、我々夫婦が出したコメントと修正点を取り入れたものになっているでしょうか？コンセプト第1案のモデルと（図1）と第2案のモデル（図2）を比較して下さい。この二つの図は家の正面上から見たものです。

変更があった点は次の通りです。

• 第1案にあったメインパビリオン横の階段室（番号1）は、希望通り第2案ではなくなっている（話題138）。
• その代わりに、第2案では階段がメインパビリオンの正面になっている（番号2）。
• 一方、メインパビリオンの前にあるお役様歓迎用のパビリオンが、シンプルなものを希望したのにかかわらず、第2案ではより豪華になっている（番号2）。
• 第1案にあった車寄せ（番号3）は希望どおりなくなっている（話題137）。
• 敷地正面からのアプローチを望んでいたが（話題141）、第2案では右側に寄っている（番号3）。
• サービスエリアが希望通り（話題141）、第2案では右側にシフトしている（番号4）。

正面左から見たイメージ図をご覧下さい（図3）。最近の建築家は便利なプログラムを持っています。図面とかモデルに比べて、よりリアルがイメージを持つことができます。

検討はまだまだ続きます。

- 続く –

No. 171 バンコクの市場（その7）

タラートで買物する利点は、ここではほとんどの商品が必要な分量だけを買えることです。スーパーマーケットのように商品はパックされていません。いくつかの例を示しますが、まずはタイ独特の商品を選んでみました。

写真1をご覧下さい。カレーペースト売り場です。ここでは量り売りで買うことができます。日本でみそを量り売りで買う感覚でしょう。下の段の左がグリーンカレー、右がレッドカレーです。上の段は左から、激辛レッドカレー、炒めたホットチリ、イエローカレー、そして半分しか写っていませんがショウガ入りチリカレーです。「激辛レッドカレー」はタイ語では“酔っぱらいのカレーペースト”と呼ばれています。このコーナーは日本人にはあまり関係がなさそうです。

次は唐辛子です（写真2）。3種類の乾燥唐辛子が並べられています。サイズは手前から小、大、中です。全部辛いでしょうが、手前のものは“プリッキーヌ”と呼ばれる、最も辛いチリです。このコーナーもカレーペーストに続き日本人には縁がなさそうです。なお、上の段は漬け物です。

写真3はたまご売り場です。3種類のたまごが山積みにされています。10個または8個単位の値段が表示されていますが、1個からでも買うことができます。手前にあるのがカイ・ガイ（ニワトリの卵）、右後ろがカイ・ペット（アヒルの卵）、そして左後ろがカイ・ノックラター（ウズラの卵）です。ニワトリの卵とウズラの卵の値段を日本のものと比較して下さい。1バーツを3円で計算して下さい。

ニワトリとウズラの卵の調理方法はご存知でしょうが、アヒルの卵にはなじみのない方が多いのではないかと思います。そこでアヒルの卵の代表的な料理、“カイ・パ・ロー”をご紹介します。“カイ”は卵ですので、「アヒルの卵の煮込み」でしょうか。まず卵を茹でます。殻を剥いたあと厚切りのベーコンと一緒に中華風の甘口醤油で煮込んだものです。簡単な料理ですので、試して下さい。

- 続く -