“ここは地の果て アルジェリヤ どうせカスバの 夜に咲く 酒場の女の うす情け”。昭和30年(1955年)、エト邦枝さんが歌った“カスバの女”の一節です。団塊世代よりもシニア世代の方が思い出深いのではないでしょうか?歌詞、メロディーはご存知でも、実際アルジェのカスバを見た方は少ないのではないでしょうか。ご紹介します。
写真1は現代のアルジェの中心部を望んだものです。手前がアルジェ港、そして遥かに見えるのが地中海です。カスバの位置は青い点線で囲んだ部分です。カスバは、都市の城内を意味するアラビア語のカサバから出た言葉で、アルジェでは、ほぼアルジェリア人のみが居住する旧市街を指します。写真2で見ると、斜面に沿って建てられたカスバの家並とそれを囲む城壁が良く分かります。この絵はフランスがアルジェリアに進出した1980年頃の様子です。
フランスが全アルジェリアを支配した1971年頃のカスバの様子を示したのが写真3です。伝統的な家並の下にフランスが建てた石積みの立派な建物が見えます。
カスバは古いモスク、オスマン様式の宮殿、伝統的な街並が残った地区で、UNESCOの世界遺産に指定されています。映画“アルジェの戦い”の主な舞台になったところでもあります。残念ながら、安全上カスバへは警察官などの護衛なしでは入ることができません。そのため、お見せできる写真もありません。
カスバに関係あるものを買おうとしたのですが、アルジェでは古いものを見つけることができませんでした。印刷ものの写真2が見つかっただけです。そこで少し古い版画の挿絵を(写真3)、話題92で紹介したパリのセーヌ川沿いの露店で購入しました。これも、ロングステイのベースのタイスタイルハウスのインテリアの一つになります。
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