ロングステイへの道

No. 309 アルマトイのゴルフ場

中央アジアではウズベキスタンとカザフスタンにゴルフ場があります。ウズベキスタンのタシケントと、カザフスタンのアルマトイとアスタナです。アルマトイには2つのゴルフ場があります。

このうちアルマトイにあるザイルジャウ・ゴルフ・リゾートを紹介します。2004年5月にはまだ造成中でしたが、その後、一時宅地として売り出すという話があり、建設が中止されたという噂を聞いていました。しかし、今回アルマトイを訪問して、ちゃんと完成しているので感激しました。トルコの資本だそうです。

アルマトイの中心部から車で約20分ほどの郊外にあります。天山山脈の山麓に広がるゴルフ場で、写真に示したように、すばらしい天山山脈の峰々を背景にしてプレーができます。このゴルフ場の中には住宅や宿泊施設も建設されていて、リゾートライフが楽しめます。

さて、どのくらいでプレーできるのでしょうか？次の価格はビジターが18ホールをプレーした時のものです。

　　　グリーンフィー（平日）　：　12,000テンゲ
　　　グリーンフィー（週末）　：　24,000テンゲ
　　　カート　　　　　　　　    ：　 3,000テンゲ
　　　キャディフィー　　　　    ：　 2,000テンゲ

テンゲはカザフスタンの通貨の単位で、1テンゲ ≒ 1円で計算してください。安くはありませんね。タイのように、毎日ゴルフ三昧とはいきません。

今はほとんど韓国人のゴルファーのようで、日本人は少ないようです。アルマトイに住む両国の駐在員の数からしても明らかです。韓国からのツァーの人も多いとのことです。

No. 308 アユタヤの九ヶ所参り（その14）

同じく“ヴィハーン・プラ・モンコン・ポピット”での、タイの人々のお参りの様子を紹介します。

写真1は、タイのお寺でよく見かけるシーンですが、お参りの人が仏さまに金箔を貼付けています。ここでは青年が仏さまの目に神妙に金箔を貼付けています。このお参り方法の由来を何人かのタイの人に聞いてみたのですが、いくつかの意見がありました。

（1）仏さまはブロンズなどで鋳造されています。本来仏さまは希望や幸せを与えてくださるもので、光り輝いてなければならないと考えられています。そこで金箔を貼付けて、黄金に輝いていただきます。（2）1767年にビルマがアユタヤを占領した時、ビルマ軍は仏像を覆う金を奪うために、仏像に火をかけました。この故事を思い起こし、そして再び仏さまに輝いていただくために、タイの人は金箔を貼付ける。などの説明がありました。

頭が良くなりたい人は頭に、目が悪い人は目に、手の痛みを癒したい人は手に、金箔を貼りつけています。日本で、病気やけがの治癒を願って、お地蔵さまや仏さまの肩や手足に触れるのと同じです。

次の写真では、お参りの人が仏さまの横に並べられた沢山のお鉢一つ一つにお賽銭を入れています。数を数えると80個ありました。なぜ80個かは分かりません。除夜の鐘は百八つですが、ここでは多分願い事の数でしょう。タイの人は願い事が多いみたいです。

プラスティクの茶碗に入った小銭はお寺で購入します。茶碗に入っている小銭の数はおおざっぱで、80個以上入っています。余った小銭は仏さまの前の金色の鉢にまとめて入れ、最後のお願いをします。

- 続く -

No. 307 アルマトイでのロングステイ（その6）

アルマトイはアクティブでスローな旅を楽しむところです。アルマトイのフラットに一ヶ月ぐらい滞在し、天山山脈でのハイキング、トレッキング、登山を楽しむものです。アルマトイからキルギスタンのイシククル湖まで、天山山脈を越えるいくつものルートがあり、難易度によって3種類ぐらいに分かれているそうです。山好きな人には絶好のところです。

次回の冬季アジア大会は2011年にカザフスタンのアルマトイで開催される予定です。今まで日本に馴染みの薄かったアルマトイやカザフスタンが、身近な所になるでしょう。また、ホテルなど住環境が整備されると、より良いロングステイ先となるでしょう。ただし、交通渋滞と大気汚染の解消も必要となります。

写真は、アルマトイから約15 km離れた天山山脈の渓谷にあるメデウ・スケートリンクです。1972年につくられたこのスケートリンクは氷質がよいため、ソ連時代数多くの世界記録が生まれました。メデウからさらに4 km先にはシンブラク・スキー場があります。これらの施設は今は市民の娯楽のために使われていますが、きたるアジア大会にも活用されることでしょう。

- 完 -

No. 306 ギリシャのタベルナ

タベルナ（Taverna）をご存知でしょうか？ギリシャの小さな庶民的なレストランのことです。タベルナの響きが良いので、日本ではイタリアレストランでもこの名前を借用しています。本場のギリシャですが、多くのタベルナでは外国人観光客を取り込むために、英語のメニューを準備したり、客引きを雇ったりしているそうです。

今はどうか知りませんが、30年以上前のギリシャでは、タベルナで注文するとき料理が分からないときは、キッチンに入り好きな料理を指差して選べばよいと聞かされていました。また、ほとんどのタベルナでそれを実行してきました。

まだこの習慣が残っています。海外に出かけた時、今でもチャンスがあればキッチンをのぞくようにしています。大きいレストランや格式のあるレストランでは無理ですが。

ギリシャのタベルナの写真があればいいのですが、その当時の写真が残ってないので紹介できません。ギリシャからは少し離れていますが、カンボジアのシェムリアップにあるレストランのキッチンをご覧下さい。シェムリアップはアンコールワット観光の基地となる街です。

照明が少なく暗いですが、キッチンは整頓され清潔で、女性の料理人の服装もきちんとしたものです（写真1）。これなら安心して料理が食べられます。写真2はレストランの別のコーナーを撮影したものですが、これはトンレサップ湖で捕れた魚のぶつ切りを入れたお鍋です。バンコクなどでは今や電気やガスで調理しますが、ここではまだ昔ながらに炭を使います。

話題290ではキルギスタンのビシュケクにあるラグマン専門店のキッチンを紹介しましたが、今後、いろいろな国のキッチンを紹介します。ご期待下さい。

No. 305 ウズベキスタンの美女

話題278でウズベキスタン工芸博物館で出会ったウズベキスタン美人を紹介しました。出会った7人のウズベク美女のうちの1人です。

美女全員にお会いしたい方は、フォトアルバム“ウズベキスタンの美女”をご覧下さい。

No. 304 アルマトイでのロングステイ（その5）

野外レストランでは嬉しい差し入れもありました。お隣で誕生日パーティを開いていたグループから馬肉の腸詰の差し入れです（写真）。

お皿の下半分に盛られているものですが、これはカズと呼ばれ、カザフスタン人の大好物です。馬肉に塩、ニンニク、コショウをまぶして、腸に詰めたものです。

このグループは場所だけを借りて、食べ物や飲み物は持ち込みでした。誕生日パーティにも飛び入りで参加し、ウオッカの乾杯にも何回もつき合わされました。

カザフの人々のホスピタリティと笑顔に感謝、感激。

- 続く -

No. 303 アユタヤの九ヶ所参り（その13）

“ヴィハーン・プラ・モンコン・ポピット”の入り口横に小さな仏さまが奉られていました。この仏さまにもお参りします。日本ではお寺参りはお年寄りですが、タイでは子供や若い女性・男性も多く見かけます。信仰心の差でしょうか。

ここではタイの人々のお参り方法を再度整理しておきます。写真をご覧下さい。

まず、お灯明でろうそくに火をともし、お供えします。次に、やはりお灯明で3本のお線香に火をつけ、願いごとをこめてお祈りします。3本のお線香は、それぞれ仏さま、お経、そしてお坊さまを現しています。人によっては、“はすの花”や“プアング・マー・ライ”を、お供えします。仏さまの膝元をご覧下さい。なお、“プアング・マー・ライ”は花輪のことで、話題133で紹介しています。

我々も、“郷に入れば郷に従え”で、我々もタイスタイルでお参りしました。 ただし、ろうそく、お線香、お灯明につぎ足す油、そして“プアング・マー・ライ”はバンコクから持参しました。

- 続く –

No. 302 アルマトイでのロングステイ（その4）

話題267では冬のピクニックの様子を紹介しましたが、アルマトイの人々にとってピクニックのベストシーズンは春から秋にかけてです。新鮮な空気を求めて出て、天山山脈に刻まれた谷間に出かけます。ピクニック料理の定番は羊肉の串焼き“シャシリク”です。小さいコンロを持参して焼き肉を楽しみます。近くを通っても美味しいにおいがたまりません（写真1）。

我々は、コンロの準備はしていないので道沿いにある野外レストランに直行です。オープンなあずまやで食事をとるため、ここは冬には開いていません。シャシリクをオーダーするのはもちろんです（写真2）。

この写真は以前使用したことがありますが、再度登場です。というのは、ここのシャシリクの味は、いままで食べた中で五本の指に入るからです。大ぶりにカットされた羊の肉、こんがりと焼き上がった色、こげめの入り具合、などなど。ジューシーなシャシリクでした。

おじさんのプロフェッショナルな目線や手つきからも、ここのシャシリクが美味しいことは間違いありません。

- 続く -

No. 301 アユタヤの九ヶ所参り（その12）

タイの人々は“ヴィハーン・プラ・モンコン・ポピット”に、商売繁盛や仕事の成功を願ってお参りします。我々はロングステイの成功をお祈りしました。

さて、お参りした“ヴィハーン・プラ・モンコン・ポピット”の意味ですが、“ヴィハーン”は「お堂」、 “プラ”は「仏さま」、“モンコン”は「幸運」、そして“ボヒット”は仏さまや王さまに付ける敬称で、「さま」ですので、「幸運の仏さまのお堂」となります。なるほど、人々がお参りする意味が分かりました。

“プラ・モンコン・ポピット”または「幸運の仏さま」はご本尊のお名前です（写真1）。座像の仏さまです。ブロンズ製ですが金箔が張られています。写真ではそれほど大きくは見えませんが、像高が12,45 mもあります。蓮花座の高さ4.56 mを加えると、18 mもあります。また、組まれた両膝の幅は9.55 mです。これは奈良の大仏さまなみです（像高14.98 m、両膝の幅12.08　m）。

ご利益が絶対あります。

- 続く -

No. 300 ギリシャの思い出、120

スファクテーリエではペロポネソス戦争の7年目、紀元前425年に、スパルタとアテネの戦いがありました。スパルタにとっては屈辱的な、アテネにとっては輝かしい戦場です。この島ではあるまとまった人数のスパルタ兵が歴史上始めて降伏しました。

写真はGoogle Earthの衛星画像です。中央の細長い島がスファクテーリエです。アテネ軍は島の南より2度にわたり上陸し、スパルタ兵を島の北へと追い上げていきました。降伏したのの島の北端です。写真の上が北です。

ここでは約130名のスパルタ兵が戦死しました。そして、120名のスパルタ兵が捕虜となり、アテネに連行されました。スパルタは捕虜の返還のために何度もアテネと交渉し、やっと紀元前421年に捕虜は国に帰ることができました。彼らの国での運命はどうなったのでしょう？戦場で臆病と見なされた場合、共同体から排除され、あご髭の半分を刈り取られた姿で生きなければならなかったスパルタです。

今回は寛大な措置がとられました。市民としての権利が若干制限されたのみで、これもすぐに回復されました。なぜでしょうか？これにはスパルタ市民の数の減少が影響しています。紀元前480年には8,000人いた市民（ = スパルタ兵）が、418年には2,500人程度に減少したと言われています。戦死や占領地へ行政官として派遣されたためです。120名はスパルタにとって不可欠な資源でした。

テルモピレーもスパルタ兵ですが、スファクテーリエでアテネ軍の降伏勧告に対し、大盾をおろし手を振って応えたのもスパルタ兵です。

島には渡れませんでしたが、対岸のピュロス（古代のピュロスではない）より、スファクテーリエでのスパルタ兵の苦悩に思いを馳せました。

300回目の記念として”ロングステイの道”の原点となったギリシャ旅行の話題を紹介しました。

- 完 -