タシケントにはいくつかの興味ある博物館がありますが、今回はウズベキスタン工芸博物館を紹介します。1907年に建てられたロシア公使の私邸を博物館にしたものです。ここには“スーザナ”と呼ばれる刺繍の壁かけ、陶器や磁器、置き物、木工品などが展示されていますが、ウズベク各地の職人によって建てられた建物自体が一つの工芸品です(写真1)。
スーザナは新婚夫婦のお守りとして、必ず新婦の衣装箱に納められていたものです。タシケント、サマルカンド、ブハラ、ヒヴァ、フェルガナなど、色や幾何学模様のデザインが地方によって異なります。絨毯やキリムもそうですが、見ていても飽きがきません。
この博物館で最も気に入ったのは壁にかけられた7枚の皿です。ここにはそれぞれ1人の女性が描かれています。7人のウズベク美人です。そのうちの1人を紹介します(写真2)。興味深いのは7人とも顔の特徴や色が異なることです。中国、モンゴル、インド、中東、そして西洋的な顔もあります。中央アジアが民族のるつぼと呼ばれるのが理解できます。
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