ロングステイへの道

No. 51 タイの仮面ライダー

10月13日と14日の両日、タイのバンコクで仮面ライダー・ショーが開催されました。タイの主な新聞タイラット、コム・チャッド・ルック、デイリーニュースなどで紹介されたところをみると、仮面ライダーはタイでも人気が高いようです。タイのテレビ、チャンネル9で“仮面ライダー龍騎”が2004年7月より放映されました。また、仮面ライダーの雑誌も出版されています。

このライブショーは日本の東映がタイのGMM Liveの協力で企画したもので、“アイ・モッド・デング・ショウ；仮面ライダーショー・イン・バンコク2005”と題して、バンコクの Impact Arina Mueng Thong thanii で開催されたものです。“アイ・モッド・デング”はタイ語で赤蟻を意味します。

8代の仮面ライダーが参加するということで、新聞では大きく報道されていました。開催前の記者会見の写真では、仮面ライダーがいつもの変身のポーズではなく、サワディと“ワイ”をしているのが印象的でした。これも“タイスタイル”。“ワイ”は両手をあごぐらいの高さで合わす、タイの挨拶の仕草です。日本での“おじぎ”に相当します。

漫画の世界では日本とタイの交流が進んでいます。このような仮面ライダー・ライブショーも二つの国の人々の相互理解を促進すると思います。こういった積み重ねは、タイでロングステイする環境を改善していくものと期待されます。

さらに踏み込んで、ロングステイする方々も、日本での経験を活かした相互交流の活動にアクティブに参加されたらどうでしょうか。

No. 50 タイの建築設計事務所A社の回答（続き）

タイの建築設計会社A社の回答はこちらからの依頼事項（話題No,36、2005年10月1日）を満たしていました。さらに提案する家の図面を作成し、この仕事に対する熱意が感じられました。

提案された案は、二人の希望 ① “Modern Thai Style House”、すなわち、“伝統的なタイスタイルハウスの知恵に現代の技術を加えて、最も快適に住める家”、② 伝統的なタイスタイルハウスの特徴である広いデッキ、③ コンクリートとガラスで囲まれた要塞みたいな家でないことを、ほぼ理解して作成したものでした。

しかしながら、少々オーバースペックです。各部屋の面積は十分に余裕を持ったもので、建物の床面積とデッキの面積を合わすと、庭の広さが制限されてガーデニングの楽しみがなくなります。さらに、建築材料は木材が主体ですので、チーク材は使わないとしても、建築費は非常に高いものになっています。

もう一点は、大きい池です。まず、メンテナンスが困難で、さらに蚊の温床になってしまいます。イメージしていたものは、ポンペイ遺跡で見られるようなローマ式家屋の中庭にある、噴水が付いた小さくて浅いプールです（写真参照）。底をタイルばりにしておけば清掃も楽だと考えています。

以上の問題点はコンセプト設計〜概略設計の期間に修正できるものであり、あまり重要でありません。

No. 49 タイの建築設計事務所A社の回答

A社の提案は古い様式を継承したタイスタイルハウスです。居間、ダイニングルーム、主寝室、客用の寝室がそれぞれ独立した高床式の建物になっていて、全てが2階レベルにあります。それぞれの建物はこれも2階レベルにある広いデッキで結ばれています。下の図面はA社の提案です。

建物はタイの中部平野（バンコクがある地域）の家の特徴である高く反り上がった屋根を持っています。主な建築材料は木材を使用する案になっています。

ダイニングルームだけが2階建てになっていて、1階は台所となります。ここを除くと1階部分は全てオープンスペースとなり、日中に、読書、昼寝、食事、運動用のスペースなど多目的に利用できます。

主要な建物の他にユーティリティの建物があります。メイドの部屋、倉庫、洗濯室などです。日本ではメイド部屋など普通には考えられませんが。建築家と最初の打合せのとき（話題No.33、2005年9月29日）、メイドの台所を主人用の台所と分けましょうか？と質問を受け、どう答えてよいか困ってしまいました。

敷地には広い池が配置されていて、高床式の建物が池の上にも張り出しています。これは池により涼を取るためで、伝統的なタイスタイルハウスの知恵の一つです。

No. 48 ロングステイのベースの概要

タイの建築設計事務所の回答の紹介と、今後の家の設計に関する記事の理解を助けるために、ロングステイのベースとなる敷地の概要をまとめます。

ベースはバンコク郊外にあるゴルフ場内にあります。敷地の様子は話題 No. 4、No. 13、そしてNo. 44の写真をご覧になって下さい。

土地は南北に細長い形状をしており（約27 m x 約57 m）、面積は1ライ（1,600 m2）あります。西側（図の左側）は道路に面しており、反対の東側（図の右側）はゴルフコースのフェアウエーに接しています。北側と南側は隣の敷地に成ります。

両側の敷地はまだ更地ですが、お向かいはある航空会社のキャプテンが家を建築中です。その様子は話題 No. 13とNo. 44で紹介しています。この建築過程は、我々のタイスタイルハウスの進行状況とともに報告して行きます。

なお、ゴルフ場が決めている建物の規制は、(1) 建物の高さが13 m以下、(2) 建物は道路から5 m、ゴルフコースとの境界から6 m以上セットバックすること、(3) 建物は両側の敷地境界からは2 m以上離れることの3項目です。

No. 47 タイの建築設計事務所の回答

タイの建築設計事務所A社とB社の両社からメイルで回答が届きました。2005年10月1日の「タイの建築設計事務所への依頼事務所」で説明したように、両社にはどのようなコンセプトの家が提案できるか、概略の建設コスト、設計および建築に要する期間、建築設計事務所が提供できるサービスと費用に関するプロポーザルを依頼していました。

A社は ① 設計のコンセプトを文章で説明したもの、② コンセプトを図面化したもの（平面図2枚と立面図4枚）、③ 概略の建設コストと建設期間、④ 設計業務の契約書（サービスの内容と費用を含む）を提出しました。

一方、B社は ① 概略の建設コストと建設期間と② 設計業務の契約書（サービスの内容と費用を含む）のみでした。夫婦とも、どのような家かイメージが湧かないため、メールでコンセプトを送るように再度依頼しました。③ コンセプトを文章にしたのが送られてきました。

A社とB社が提案する家のコンセプトについては次回以降に紹介します。

No. 46 始めての海外旅行、ギリシャでの行程

ギリシャでは4週間弱過ごし、主に古代の遺跡、古戦場を回りました。地図に赤丸で示した場所です。アテネ（1）をベースとして日帰りでピレウス（2）、マラソン（3）、サラミス（4）、デルフィー（5）に出かけました。ピレウスまでは地下鉄で、サラミスへはピレウスからフェリーを使いました。なお、地名の後の番号は地図中の番号に対応しています。

次にペロポネソス半島を路線バスとヒッチハイクを使いほぼ一周しました。アテネ（1）→ コリント（6）→ アルゴス（7）→ ミケーネ（8）とチリンス（9）→ エピダウルス（10）→ ピュロス（11）とスファクテーリエ（12）→ オリンピア（13）→ パトラス（14）→ アテネ（15）が訪れた遺跡と古戦場です。

スパルタへも行きたかったのですが、時間の制約でかないませんでした。アルゴス（7）からピュロス（11）へ移動する時、中間地点のメガロポリスで、ピュロスへ行くかスパルタへ行くか悩んだことを覚えています。

この地図の範囲外ですが、トルコのイスタンブールへも行きました。残念ながら最も訪問したかったトロイはもう一歩の所であきらめざるを得ませんでした。

ギリシャ北部、エーゲ海の島々、トルコのエーゲ海沿いのギリシャ諸都市、まだまだ訪れる所は沢山あります。これからの楽しみです。

地図の出典：　
Reference Map of Ancient Greece, Southern Part,
The Historical Atlas by William R. Shepherd, 1911
Courtesy of the University of Texas Libraries,
The University of Texas at Austin.

No. 45 始めての海外旅行

始めての海外旅行（夫）は、約30年前です。学生時代の夏休みに40日ほどギリシャに旅行しました。今、ブログ「ロングステイへの道」でタイのバンコク近郊に、海外生活のベースとなる家を建てる経過を紹介していますが、原点はこのギリシャへの旅行です。 今ではメモも写真もは紛失しましたが、記憶をたどりながら32年前のギリシャでの話題を紹介します。他のソースからの写真や資料、また最近再度訪れた場所では、その時撮影した写真を使って紹介したいと考えています。 行き先はギリシャでしたが、往路はロンドンに、復路はパリにそれぞれ2泊しています。これはスチューデントフライトを利用したために、東京とアテネの直行便がなかったためです。また、ロンドンでは大英博物館、パリではルーブル美術館を訪問することも大きな目的でした。 ロンドンからアテネまでもスチューデントフライトの直行便がなく、ローマとドブロブニクの2ヶ所で飛行機を乗り継ぎました。ドブロブニクは旧ユーゴスラビアに属していましたが、今はクロアチアの都市です。アドリア海の真珠と呼ばれる美しい町で、世界遺産に登録されています。写真をご覧に成って下さい。 ただし、ドブロニクには真夜中に着き空港内に数時間しか滞在しなかったためと、当時は共産圏に属していたため、疲れと緊張であまり良い印象は残っていません。今度は二人でゆっくり訪れたいものです。 空の旅に関しては、空港での日本の若者に対する警戒が厳しかったことを思い出します。これは、1972年5月30日に起こった日本赤軍によるイスラエルのテルアビブ・ロッド空港で自動小銃乱射テロ（テルアビブ空港事件）、1973年7月20日の日本赤軍とパレスチナゲリラによるパリ発の日航機をハイジャックした事件（ドバイ事件）の直後に旅行したためです。 写真の出典：　Courtesy of the CROATIAN TOURIST BOARD, Photograph taken by MILAN BABIĆ

No. 44 ロングステイのベースの現況、雨期

9月中旬のタイでのロングステイのベースの現況です。1枚目は敷地の状況です。雨期で雨が続くため、雑草が生い茂っています。8月27日“タイのゴルフ場”の3枚目の写真と比較して下さい。6月初旬に撮影したものですので、3ヶ月半でいかに草が茂ったかが良くわかります。タイは一年中暖かく植物の育ちが早いため、ガーデニングにはもってこいです。すぐにでも花とか木々を庭で育てたいものです。

タイの雨期は5月中旬10月と言われています。日本の梅雨のように一日中雨が降続くのではなく、短時間に集中的に降ります。この写真を撮影した日の前日の夜に激しい雨が降りました。この日の朝は雨が上がり、2枚目の写真のようにゴルフを楽しんでいました。日本人のカップルみたいでした。芝が良く茂りまた緑が濃くなるため、ゴルフのショットはより快適になります。周囲の木々の緑も深くなり目にも鮮やかです。

3枚目の写真はお向かいさん、キャプテンの家の建築の進み具合です。家の骨組みが完成したぐらいでしょうか。3ヶ月半でこの程度です。完成にはやはり1年以上かかりそうです。

写真から二点ほど気がつかれるでしょう。まず最初は、柱の数が少ないのと柱の太さが細いことです。タイは日本のように地震国でないから当然とは思いますが。もう一つは建築現場が雑然としていることです。これもまあ仕方がないでしょう。

No. 43 旅の友iPod、テレサ・テン（続き）

この記事はテレサ・テンさんの歌を聴きながら書いています。今まで彼女のことはアイドル歌手、演歌歌手としての認識しかなく、日本で流行った彼女の歌にも無関心でした。また、チェンマイで急死したこも一つの事件としての記憶しかありませんでした。

マレイシアでCDを買った後、彼女のことをインターネットで調べてみました。台湾と本土との間の過酷な政治権力に翻弄された一人の歌手としての歴史を知りました。また、有田芳生著『私の家は山の向こう　テレサ・テン　十年目の真実』が出版されていることも知りました。ぜひとも読んでみます。

この本には特別付録としてCDが付いているそうで、ここにはテレサ・テンさんの「我的家在山的那一邊（私の家は山の向こう）」が収められています。これは中国国内で民主化運動が最高潮に達し、天安門広場に大勢の学生が集まったときであり、香港のハッピーヴァレー競馬場で行われた野外コンサートで歌ったものの生録音です。iPodの最も大事な歌の一つにします。

下の写真はCD“日本經典系列、一代巨星♦東洋名曲”のジャケットです。このCDには、日本の歌手の歌をテレサ・テンさんが日本語で歌ったものが多く収められています。いくつかの曲名を日本語と中国語で記しました。

　　●　長崎は今日も雨だった　　涙的小雨
　　●　港町ブルース　　　　　　誰來愛我
　　●　北国の春　　　　　　　　我祖你（榕樹下）

No. 42 タイで家を建てるときの施行管理

タイで家を建てるとき建築工事をどのように管理するかは大問題です。“タイで家を建てた日本人（2005年9月13日）”で紹介したように、タイに住んでいても家を建てる、家をリフォームすることは大変なチャレンジです。この問題を解決しないかぎり海外のロングステイの第一歩を踏み出せません。

解決方法を建築設計事務所のA社とB社に質問しました。両社ともほぼ同じ見解でした。まず第一に信頼できる良い建築業者を選ぶこと。当たり前ですが、どのように探すかが重要です。悪い業者が多いなか、タイにも信頼できる業者がいるとのことです。

タイの建築業界でも信用が重要です。二つの設計事務所は歴史があり、長年つき合っている建築業者は信頼できるとのことです。いい加減な工事をすると次から仕事を出さないとのことで、悪い会社は長年の間に淘汰されてきているようです。建築業者の選定には、設計事務所のアドバイスが不可欠です。まずは良い、建築設計事務所を選ばなくては。

ただ、タイ人の中には、建築家のアドバイスを聞かずに安い建築業者を指定する人もいて、失敗することもあるそうです。

次に、現場管理の人を雇います。エンジニアではなくテクニシャンレベルの人をパートタイムまたはフルタイムで雇用します。信頼できる建築業者を選んだ場合でも、建築の規模が大きくなると担当する建築家一人では品質の管理が行き届かないので、現場管理人の雇用を勧めるとのことです。その目安は、個人住宅の場合床面積が1,500 m2以上とのことです。

日本では普通考えられない広さですが、タイでは数多く見られます。床面積が3,000 m2の家に家族3人が住むとか。あるタイプのタイの人は、隣家より大きい家が良い家だと考えるみたいです。

いずれにしても建築を始めるにはまだ1年以上あるので、どのように工事を管理するかはじっくり研究し、計画をたてます。