ロングステイへの道

No. 370 タイスタイルハウス設計の現況（その4）

タイの建築家の提案による屋根材や外壁材を用いるとすれば、タイスタイルハウスの色のコーディネーションは図のようになります。茶色が基調であることは理解できますが、コンピュータソフトで作成した図ではもう一つしっくりきません。屋根の色も、タイの焼き瓦（テラコッタタイル）の色とは違い、今まで持っていたタイスタイルハウスの屋根のイメージが壊れてしまいます。

やはり、設計のこの段階になると、メールでのコンピュータグラフィックスのやり取りには限界があります。タイで材料を手に取って見て、感じる必要があります。また、同じ材料を使って建てられた家を始めとして、違った材料使った家や色のコーディネーションが異なる家を実際に多く見る必要があります。さらには、伝統に使われてきた材料や、新しい材料について勉強する必要もあります。

調査結果の一つの例として、バンコクにあるSiam Societyの建物を紹介します。テラコッタタイルの屋根とクリーム色の外壁の家です。壁になにもアクセントがないことを想像してください。奇妙な家になってしまいます。しかしながら、木製の窓枠やデコレーションが効果的に使われているためにバランスがとれ、さらにはタイスタイルが演出されています。

今は仕事の関係でなかなかバンコクを訪れることができず、タイスタイルハウスの設計は遅れがちですが、一歩一歩着実に進めていきたいと考えています。

- 完 -

No. 368 タイスタイルハウス設計の現況（その3）

タイの建築設計会社より、床材とともに屋根や外壁の材料の提案もありました（図1）。図にある判例を上から紹介すると、外壁はレンガ、着色した石膏ボード、着色したコンクリート壁、そしてチーク材です。屋根は焼き粘土の瓦です。この瓦はテラコッタタイルとも呼ばれます。

タイの焼き粘土瓦は、灰色や黒のイメージがある日本の瓦とは異なります。熱帯地方に多いラテライト（赤土）を材料として使用するのでしょう、色は、なかなか表現は難しいですが、薄い煉瓦色や薄い褐色でしょうか？まずは写真の例を見てください。南欧の家の瓦の色とも共通するところがあります。

瓦の例を見ても分かる通り、図で使われている色は実物の材料の色とは一致していません。瓦の薄い煉瓦色や薄い褐色が、図では青色系統の色で表現されています。さらにチーク材の濃い茶色が、図では赤で表現されています。なかなかイメージわいてきません。

- 続く -

No. 364 タイスタイルハウス設計の現況（その3）

話題360の写真1にある、タイの建築設計事務所より提案された図面ご覧になってください。これは床材料を指定した図面で、このうちお客様用寝室の床はチーク材になっています。建築家によれば、チーク材だと暖かみを感じるとのことで、我々夫婦もその通りだと思います。

しかし待ってください。ここは熱帯性気候のタイです。暖かみよりも涼しさを感じた方が、過ごしやすいのではないでしょうか？話題243で紹介したプーケットのタイムシェア用のリゾートでは、リビング・ダイニングの床材にウッドとテラコッタタイルを使い分けています。

ダイニングスペースの床がウッド、そして奥のリビングスペースの床がテラコッタのタイルです。普通、日本では長い時間を過ごすリビングの床を温かみを感じるウッドにすべきところです。しかし、タイではひんやり感があるテラコッタタイルが好まれます。熱帯のプーケットならではの配慮でしょうか。

写真は同じプーケットのタイムシェア用リゾートの寝室です。ここでもやはりテラコッタタイルが使われています。

タイスタイルハウスでは、お客様用寝室の床材をチーク材からテラコッタタイルに変更してもらいます。コスト面からも変更が必要です。

- 続く -

No. 360 タイスタイルハウス設計の現況（その2）

概略設計の一つの項目に床や壁の材料選びがあります。写真1はタイの建築設計会社から提案があった1階の床材料を示したものです。タイスタイルハウスの1階の平面図に材料毎に色分けして示しています。話題359にある家のモデルと比較しながら以下の説明をお読み下さい。

左上の灰色の部分はサービスエリアで、ここの床はコンクリートです。色も灰色で示されているので、感じはつかめます。サービスエリアの下にある黄土色の帯は、敷地の玄関からメインパビリオンに通ずる通路です。材料は舗装用のレンガで、設計会社はサンプルとして写真2を送ってきました。

中央の黄緑色と黄色は高床式のメインパビリオンの床下になります。ここは風通しが良いため、オープンな居間として使う予定です。黄緑色は建物の下、そして黄色は建物を囲んだベランダの下となります。両者ともに床材料はテラコッタタイルで提案されています。色合いが若干違います。写真3に提案されているように、ベランダの下の床（黄色）は写真手前の薄い色のテラコッタ、建物の下の床（黄緑色）は写真奥の色の濃いテラコッタです。なかなか良い色です。

黄色で示されている色の薄いテラコッタタイルは、写真1の右上にある高床式の主寝室の床下、そして右下のお客様用寝室のベランダにも使われています。

- 続く -

No. 359 タイスタイルハウス設計の現況（その1）

タイスタイルハウス設計に関する報告は話題268が最後になっています。ちょうど家のコンセプトが完成し、概略設計を開始したところでした。その後の進展を紹介する前に、繰り返しになりますが、計画しているタイスタイルハウスの概要をもう一度説明します。

写真1がタイスタイルハウスのモデルです。左側から、次のような構成になっています。

　　ⓐ　玄関
　
　　ⓑ　お客様歓迎用パビリオン
　
　　ⓒ　キッチンとサービスエリア
　
　　ⓓ　メインパビリオン
　
　　ⓔ　主寝室
　
　　ⓕ　お客様用寝室

この中で②のお客様歓迎用パビリオンが目新しいのではないでしょうか？　ここはお客様が到着したときに、冷たい飲み物を出し、涼しいそよ風に吹かれながら、一息ついてもらう場所です。

手前にあるのが、キッチンとサービスエリアの屋根の代替案です。タイスタイルの屋根です。モデルについているのがシンプルな屋根です。

タイスタイルハウスのコンセプトはカテゴリーの中の“家の設計”に詳しく紹介しています。ご一読ください。

- 続く -

No. 268 タイスタイルハウスのコンセプト最終案

タイスタイルハウスのコンセプト第4案を最終案とします。

最終案のスケッチを図1、２に示します。スケッチといってもコンピューターグラフィックスですが。便利になったものです。背景の空のパターンも自由に選べるのでしょう。

まず最初の図は、タイスタイルハウスを敷地の北側から望んだものです。右端が道路に接していて、敷地への入り口となります。3つの建物が見えますが、右側からサービスエリア、メインパビリオン、そして主寝室と続きます。主寝室の背後が、お客様用の寝室です。

次の図がタイスタイルハウスを正面から見たものです。右の建物がお客様用の寝室です。中央の前にある小さいタイスタイルの建物が、道路に面した玄関です。その背後にメインパビリオンが見えます。左側には、サービスエリアとその背後の主寝室の建物が重なって見えます。

タイスタイルハウスのイメージを持っていただきましたでしょうか？コンセプトに関しては、プログのカテゴリー“家の設計”にある記事に詳しく説明しています。一連の記事をお読みいただくと、イメージがつかめると思います。ご一読下さい。

最後の写真は、図2と同じ方向から眺めた、タイスタイルハウスの建設予定地です。オレンジ色の仮設の門の位置に、図2のタイスタイルの玄関が建てられます。奥にある柵の向こう側が、ゴルフ場のフェアウエイとなります。

いずれにしても、完成までまだまだ時間がかかりそうです。しばらくの間、写真に示した状態で我慢するしかありません。バンコクでのロングステイの準備には、手間と時間、そして辛抱が必要です。

No. 265 タイスタイルハウスのコンセプト第4案（その7）

タイスタイルハウスのコンセプトはほぼ最終的なものとなりました。2005年12月以来、約1年をかけてタイの建築設計事務所とともに練り上げてきました。さて、最初の案から最終案までどのように変化したでしょうか。2階部分の平面図を比較してみましょう。

上の図が、タイの建築設計事務所と契約を交わしたときの案です（話題86）。そして、下の図が第4案です。両案とも高床式の建物が主で、2階部分が生活の中心となっています。

しかしながら、最初の案では建物が敷地一杯に建てられています。また、広い池も特徴です。これは大豪邸です。これを我々夫婦が納得する形（下の図）にするまで1年もかかってしまいました。日本とタイとのやり取りは主にメールですので、仕方はありませんが。

このタイスタイルハウスは、バンコクで生活するときに基地となる家です。バンコクでのロンスステイを計画されている方々と、タイムシェアをできればと考えています。ゴルフ好きのご夫婦に最適な場所です。

- 完 –

No. 262 タイスタイルハウスのコンセプト第4案（その6）

バンコクでのロングステイの基地となる、タイスタイルハウスのモデルです。写真の中央にある建物が、メインパビリオンです。高床式の建物で、2階はリビングとダイニングが一体になったスペースです。天井の高い、ゆったりとした空間にしたいと計画しています。

メインパビリオンの周囲はテラスで囲まれています。パビリオンの両側の扉は開け放つことができ、室内とテラスは一体化でききます。庭に面したテラスの幅は、約5mと広くとるように計画しています。庭越しに、ゴルフ場のフェアウェイを正面に望むことができ、広々とした景観を楽しめます。テラスは軒で被うようにするため、ここは日陰となり読書や昼寝に最適な場所です。朝食や昼食の場所としても最適です。

キッチンは2階にあります。写真の右下にある建物の2階部です。キッチンとメインンパビリオンにあるダイニングや、テラスとは渡り廊下でつながっています。2階で全ての生活ができるのもタイスタイルです。

- 続く -

No. 259 タイスタイルハウスのコンセプト第4案（その5）

バンコクでのロングステイの基地となる、タイスタイルハウスのモデルです。写真は、ゴルフ場から見た、すなわち背後から見たタイスタイルハウスです。ちょうど敷地とゴルフ場の境界付近から見たイメージです。

寝室、メインパビリオンそしてお客様用の寝室が中庭を囲むようにコの字に配置されています。古代ローマのビラにある中庭をイメージして、落ち着いた空間にしたいと考えています。

主寝室は高床式です。木造で伝統的なタイスタイルハウスにしたいと考えています。1階部分はオープンスペースになっていて、自由な目的に使うことができます。ハンモックで昼寝をしたり、読書をしたり、また、お茶を飲んだりして、ゆっくりくつろぐ場所としたいものです。昔のタイの農家ではこのスペースは作業場であったり、ゆっくりと昼寝をする場所であったのでしょう。

メインパビリオンの下も、階段室を除いて、オープンスペースです。ここは、居間、そして朝食や昼食を食べるスペースとして使いたいと考えています。

お客様用寝室の前面は、1階、2階ともにテラスになっています。幅をゆったりとり、2.5 mとしています。また、室内とも一体となっています。日陰になり、さらに風通しも良く、さらに、ゴルフ場側のより広い展望が望めます。のんびりとなにもしない、くつろぐスペースです。

- 続く -

No. 256 タイスタイルハウスのコンセプト第4案（その4）

バンコクでのロングステイの基地となる、タイスタイルハウスのモデルです。話題253の写真は、モデルを上から望んだものです。これは、正面からです。タイの建築家の仕事部屋で撮影したものでしょう、モデルの背景が雑然としています。どこのオフィスウも同じようなものです。

中央の一番手前が玄関です。その後に、お客様歓迎用のパビリオン、そしてメインパビリオンと続きます。このラインはタイスタイルで統一したいと考えています。

左側は、前から駐車場、キッチンとサービスエリア、そして一番奥に主寝室の屋根が見えます。キッチンとサービスエリアの屋根は、シンプルなものにしています。代替案としてタイスタイルのものがありますが、ボリームが大きくなり、圧迫感を与えるものと予想しています。どちらの屋根を選ぶかは、これからの検討です。

右の奥にお客様用の寝室が見えます。手前は表のフェンスから続く庭になります。お客様用の寝室は4室ありますが、全ての部屋の前面と側面が庭に面するように計画しています。

- 続く -