笑い話です。「あなたの名前は?」、バンコクの英語学校のアメリカ人教師が一人の生徒に尋ねました。「Yes」と生徒。「いや、あなたはどう呼ばれているのですか?」、教師は質問を変えて尋ねました。「Yes、私の名前はYesです、Khun Yes」、生徒は繰り返し反論ながら、なぜ彼の英語の名前が理解されないか不思議でなりませんでした。
タイ人は名字、名前、そしてチューレンを持っています。 “チュー”は「名前」、“レン”は遊びですので、遊びの名前、すなわちニックネームです。タイでは、公式書類に記入する時をのぞき、“チューレン”を用いるのが普通です。タイでロングステイしている方も、タイの友人をチューレンで呼ばれていることでしょう。友人の名前を知るには何年もかかり、さらには、多分名字を耳にすることは一生ないでしょう。
昔、タイ人は仏教と同時にアミニズムを信仰しており、生まれたときに動物の名前(例えば牛など)を付けることで災厄を逃れることができると信じていました。その後、動物以外の名もつけられるようになりました。、ムー(ブタ)、ゴッブ(カエル)、プー(カニ)、モッド(アリ)、ガイ(ニワトリ)などもチューレンとして使われています。生まれた赤ん坊の大きさにより、レック(小さい)、ヤイ(大きい)、ウアン(太った)、ゴイ(小さな指)なども使われます。
最近はグローバル化により英語の単語もチューレンとして使われています。食べ物では、Cake、Mint、Candy、飲み物では、Pepsi、Milk、Fanta、Beer、スポーツでは、Golf、Game、Bad(Badminton)、Man-U(Manchester United)などもあります。驚くことに、英語のアルファベットA、B、F、J、K、M、O、Q、Xなどもチューレンです。タイの文化省は、2007年を“正しいタイ語の使用を促進する年”としてキャンペーンを繰り広げましたが、ここでも最近のチューレンの問題が取り上げられています。
今タイの政治で話題の中心となっている、前首相のタクシン氏のチューレンは“ミャオ”です。これはタイ北部に住む山岳民族のミャオ族からきています。タクシン氏の出身がタイ北部のチェンマイであるため、名付けられたものと考えられます。1997年のアジア通貨危機の時首相であったチャワリット将軍のチューレンは“チュー、Jiew”です。「とても小さい」という意味を持っています。当時新聞はビッグなチャワリット将軍をちゃかして“Big Jiew”と呼んでいました。
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