プノンペンにあるカンボジア国立博物館は、所蔵しているクメール美術のコレクションはすばらしく、世界でも有数なものです。博物館は1920年にオープンしましたが、その当時はフランスの植民地であったため、建物はクメール様式と西洋の様式を取り入れたハイブリッドです。中庭を囲むように四方にギャラリーが配置されています。写真は中庭の中央にあるパビリオンに座した石像で、その背後の建物が所蔵品を展示しているギャラリーです。
博物館には15のギャラリーがあります。これには、ブロンズ、先史時代、アンコール期以前、アンコール期、アンコール期以降、アンコール期以降の仏像などのギャラリーが含まれています。印象に残った展示物には、7世紀後半ですのでアンコール期以前の、砂岩でできたハリハラ像や、12世紀後半から13世紀の前半と言われているのでアンコール期ですが、砂岩を彫刻したジャヤバルマン7世の像があります。
ハリハラはヒンドゥー教の神様で、シヴァ神とヴィシュヌ神が合体したものです。この神様は創造と破壊を象徴しています。ジャヤバルマン7世はアンコール王朝の最盛期の王様です。この時、現在のタイの東北部や中央低地、ラオス、ベトナムの一部などを加えてインドシナ半島のほぼ全域の版図としていました。また、ジャヤバルマン7世はアンコール・トム(偉大な都市)を建設した王様としても有名です。
写真にある石像ように、中庭も展示スペースとして利用されています。ちなみにこの石像はアンコール・トムにあるライ王のテラスから運ばれてきたものです。この中庭には4つのハスの池があり、ベンチも置かれているので、つかれた足を休めるのに最適な場所です。
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