雲南省がお茶の原産地であるとの説が一般的です。また、ここはプーアル茶の産地としても知られています。プーアル茶は雲南省南部の普洱(ふじ/プーアル)市周辺の1,500メートル以上の山間地で栽培されています。普洱市は山奥の小さな地方都市との印象を受けますが、ここは中国です。人口は230万人以上あり、大阪市の260万人にも匹敵する大きな都市てす。
プーアル茶には木になる茶葉が利用されています。古い木では樹齢400年、高さ8メートルにもなるものもあると言われています。雲南省南部は年間降水量も多く、温暖で、大きく、肉厚の葉をつけるお茶の木の生育にはうってつけです。
プーアル茶は、加熱により発酵を止めた緑茶を、コウジカビで発酵させたものです。長い間熟成させるのとき雲南省では丸い円盤状に固めます。固まり具合によって茶餅とも言われます。効用は、肥満防止、脂肪の溶解、消化促進、整腸作用、血糖値の上昇抑制、などなどです。特に、脂肪分解作用があるので、脂っこい中華料理を食べた後に飲むのが良いとされています。
発酵期間が長くなるほど味はまろやかになり、値段も高くなっていきます。緑茶を自然状態で発酵させた“生茶”の、数十年を超えるようなビンテージ物は非常に高値で取引されます。中国では最近プーアル茶が投機の対象にされ、1グラム当たり3,000元(1元は約16円)の値がついた茶葉もありました。これは金の数十倍の値段です。
昆明で健康に良いと言われたため、お土産に買うことにしました。“云南民族茶道館”という、多分観光客相手の店でしょうか、円盤状の茶餅を求めました。カビで発酵させているので、当然かび臭さはありますが、この独特なにおいと、食に関する中国の評判により、家に着くとすぐ捨てられてしまいました。
雲南省はお茶の故郷であるために、お茶の注ぎ方にも歴史と技を感じます。写真はキノコ鍋の店で撮影したものです。
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