軍楽隊のなかで最も親しまれているのが、英国、バッキンガム宮殿やウインザー城で見られる近衛兵の軍楽隊でしょう。赤い上着と、熊の毛皮の帽子で有名です(写真1)。この起源が、オスマンの軍楽隊であるとは知りませんでした。
写真2はオスマンの軍楽隊です。オスマンと英国の軍楽隊を比較してみましょう。軍楽隊員の服装は全く異なりますが、戦場で目立つ必要があったのでしょうか、両国とも派手ないでたちです。楽器の種類は異なります。しかしながら、両国とも軍楽隊の編成は管楽器と打楽器を中心としたものです。野外、特に戦場で兵士の鼓舞や敵を威嚇するために大きな音で演奏する必要があるため、当然な楽器構成です。オスマンのものが英国に影響したのでしょう。
オスマン、英国とも指揮者がいます。古いオスマン軍楽隊の指揮者の立ち振る舞いは分かりません。現代の軍楽隊の映像やCDを聞くと、演奏を始める前に指揮者が大きい声でなにかをしゃべっています。最後に“ハイディ・ヤッラー”と号令をかけると演奏が始まります。バッキンガム宮殿でどのような号令が出されたかは記憶にありませんが、指揮者が同じように振る舞い、そして演奏が開始されるのでしょう。
現代のオスマン軍楽隊と英国近衛兵軍楽隊ともに、国の観光に大きく貢献しています。今回は訪問できませんでしたが、トルコ、イスタンブールにある軍事博物館やトプカピ宮殿(夏期のみ)では、オスマン軍楽隊の演奏を聞くことができます。トルコでのロングステイ、観光のおりにはぜひ訪れて下さい。
コメント