トルコは民族音楽の宝庫であると聞いていました。そこで、トルコでもCDショップをまず第一に探しました。トルコには英語を話せる人があまりいないので、CDショップでも目指すCDを探すのは身振り手振りです。英語を話せる人の数は、お隣のギリシャと比べると非常に少ないので驚きました。
まず最初は、オスマンの軍楽隊による行進曲です。テレビのトルコへの旅番組で時々目にする、古風でカラフな制服の上に青や赤のガウンを羽織った軍楽隊です(写真のCDジャケットを参照してください)。エキゾティクな音楽に合わせて、身体を左右に回転させながら行進します。使われる楽器は、チャルメラのような管楽器、太鼓、シンバル、山伏が持つような錫杖などです。合唱が入るのが新鮮な驚きです。
CDには19曲(正確には18曲で、残り一つはお祈りのようなもの)が録音されています。「オルドゥムズ・エッティ・イェミン(陸軍行進曲)」、「メフテル・マルシュ(軍隊行進曲)」、「ゲンチ・オスマン(若きオスマン)」、「シヴァストポル・マルシュ(セヴァストポリ行進曲)」、「エステルゴン・カレスィ」 (エステルゴン城)」など、勇ましい曲が続きます。なかでも、「ジェッディン・デデン(祖父も父も)」は有名な曲で、NHKドラマ「阿修羅のごとく」のテーマ曲に使用されており、ご存知の方も多いと思います。
オスマン軍楽隊は世界で最も古い軍楽隊だといわれています。はや13世紀末には軍楽隊が組織されたとの記録があります。ヨーロッパ諸国の軍楽隊はオスマンのものを起源としています。オスマン軍楽隊はメフテルハーネと呼ばれます。メフテルは軍楽隊の個々の隊員をさす言葉で、メフテルハーネは「メフテルたちの集会」を意味します。また、メフテルはオスマン帝国の伝統的な軍楽、オスマン軍楽の意味もあります。
コメント