プノンペンのエメラルド仏寺院も博物館として楽しむことができます。このお寺は王家の遺骨を安置するために、カンボジア王国のノロドム国王(在位1860年〜1904年)により1892年に建てられたものです。王宮の南側に隣接してあり、王家や宮廷の儀式に使われてきました。クメール様式のお寺は新しく、建築物として特筆されるものではありませんが、テラスや柱がイタリア産の大理石で覆われ、豪華な造りとなっています。お寺の床一面が銀色のタイルで覆われていることより、シルバーパコダとも呼ばれています。
クメールルージュ時代(1975~1979)に多くのものが散逸しましたが、お寺には1,600以上のコレクションが所蔵されています。これには、仏像、王家の宝石、仏教に関する遺物などです。この中でも黄金仏とエメラルド仏が有名です。黄金仏はノロドム国王の遺骨を納めていた金のつぼを溶かして鋳造されたと言われています。また、2,096個のダイヤモンドで飾られています。
お寺の敷地の四方は回廊で囲まれています。壁の延長は642メートル、高さは4メートルちかくあり、そこにはラーマヤナの物語が連続して描かれています(写真)。物語を追うには、東回廊の南端より、時計回りで鑑賞してください。壁画は修復が必要ですが、ラーマヤナのエピソードを楽しむことができます。
バンコクのエメラルド寺院と王宮は観光客の数が多くて、ゆっくりと鑑賞することができませんが、ここプノンペンでは静かな境内でゆっくりした時間を過ごすことができます。まさにオープンな博物館です。
バンコクでロングステイされている方は、手軽に行ける観光地として、よくアンコールワットまで足を運びます。プノンペンも一度は訪れてください。
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