チャブカ・グランダをご存知でしょうか。ペルー人に愛された歌手・作曲家であり(1920〜83)、彼女の最も有名な歌“"La flor de la canela”(シナモンの花)はリマ市の歌にもなっています。
チャブカ自身は白人ですが、貧しい人々のものであったクレオール音楽を、ペルーの国民的な音楽に育てた人です。クレオールは黒人と白人が混血した人々または植民地で生まれた人々をさす言葉です。クレオール音楽はもともとこれらの人々の音楽で、アフリカ系の音楽とヨーロッパの伝統音楽が混交したものです。
なぜ彼女のことを知ったかといえば、リマ市内を仕事で移動しているときに、案内の人が気を利かせて、バランコ地区に連れて行ってくれました。ここは海岸沿いにあるお洒落でロマンチックな地区で、チャブカがこよなく愛した街です。小さな広場にチャブカの銅像も建っています。
バランコ地区には、昔は上流階級のビーチリゾートで、フランス風の豪邸が立ち並んでいました。いまではこれらの家の多くはレストランやナイトクラブになっています。すばらしい海の眺めも合わせて、今もリマの恋人たちの定番のスポットです。
案内の人に“チャブカ・グランダ”と“シナモンの花”をスペイン語で紙切れに書いてもらいました。仕事の後、さっそくレコードショップに出かけました。写真がこのとき購入したCDのジャケットです。
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