話題180に続きバングラディシュのスンダバンです。複雑に入り組む水路、潮が引くと顔を出す干潟、そして小さな島に密生する豊かなマングローブの森林、スンダバンは多様な生態系や豊かな資源、そしてそれを利用する人々を育んでいます(写真1)。さらに、沿岸部に密生するマングローブの森林は、2004年12月に発生したスマトラ沖地震で注目されましたが、大津波のバリヤーとしても重要な役割を果たします。
話題180の衛星写真をご覧下さい。深い緑のスンダバンではなく、その周囲の薄茶色の部分に注目して下さい。ここは森林が伐採された地域であろうかと考えられます。地上の状況は写真2で想像して下さい。この写真はマングローブの森林と隣接する場所で撮影したものです。
衛星写真でもう一つ注目すべき点は、スンダバンの東側の海岸です。この地域はサイクロンによる高潮で毎回大きな被害を受ける地域でもあります。所々に緑の点が散らばっています。マングローブの生き残りでしょう。ここも以前はスンダバンと同様に海岸奥深くまで豊かなマングローブ林が茂っていたことでしょう。
写真3はスンダバンの近くにある木材店です。直径10 cmから数 十cmの丸太が並べられています。この様な木材店が道路に沿って延々と続いています。店の人にこの木はどこから来たのかと尋ねると、どの店でも誇らしそうに“スンダバン”の答えが返ってきました。勝手ながら、この通りを“スンダバン伐採通り”と名付けました。
アマゾンと同様に、ここでも森林が確実に失われています。
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