高床式がタイスタイルハウスの特徴の一つです。高さが高いほど風通しがよいこと、洪水時に家が冠水することを防ぐこと、害虫を防ぐこと、夜危険な動物から身を守ること、泥棒の侵入を防ぐなどなど、高床式住居の利点はたくさんあります。
多くの東南アジアの国々で高床式住居を見かけます。タイを始めとして、カンボジア、ラオス、マレイシア、ベトナム北部の山岳地で出会いました。日本にも弥生時代に中国の揚子江流域より水田耕作とともに高床式住居が伝えられたと言われています。
最近読んだ本にニコラス・ウェイド著の「5万年前」があります。この中で、稲作が始まった揚子江流域より2つの語族が東南アジア方面へ移動したことを紹介しています。一つはベトナム語やクメール語(カンボジア語)などを話すグループ、オーストロアジア語族です。もう一つはタイ語やラオ語を含むタイ語族です。
東南アジアの国々には、日本と同様に、稲作とともに高床式住居が伝えられたのでしょうか?それとも、それぞれの地方の原住民が熱帯気候に合う住居として、各地で独自に発達させてきたものでしょうか?
写真はカンボジアのシェムリアップ周辺で撮影した高床式住居です。アンコール遺跡群の観光基地としてのシェムリアップ中心部では、東南アジアの多くの都市と共通しますが、ご多分に漏れずレンガとコンクリートの家が建てられています。アンコールワットと反対方向ですが、10分ほど車で郊外に出ると昔ながらの生活を垣間見ることができます。
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